アフタヌーンティーの歴史

アフタヌーンティーの歴史

1840年代にはじまったアフタヌーンティーですが、英国でどんな歴史を歩んできたのでしょうか?

英国の当時の食事は1日2食

英国において紅茶の消費量は19世紀初頭に劇的に増加しました。

当時は朝食と夜の8時頃に夕食を取っていました。1日2回だけ食べるのが普通でしたが、英国の貴族であるベッドフォード第7代公爵夫人がこれに耐えられなかったらしく、午後に私室でポットたっぷりのお茶、そして軽食を取り始めました。

英国の貴族の社会というものは現代の日本人である我々には理解が難しいかもしれませんが、ファッションリーダーと言われるお洒落な貴婦人が社交の世界の流行を引っ張っていたというのは想像に難くありません。ベッドフォード侯爵夫人のはじめたことが次第にロンドン中の貴婦人にマネされ、お茶とサンドイッチを午後の時間に頂くことが定着していきました。

スコーンにクロテッドクリームとジャム、そしてミルクティー

時間によって名称が変わる、英国のお茶の時間

英国のティールームやホテルではアフタヌーンティーのほか、クリームティー、そして『ハイティー』を提供しています。

上流階級の婦人は午後の4時頃に『ローティー』もしくは『アフタヌーンティー』を、そして中流階級以下では夜の食事の代わりになる『ハイティー』を午後5時から6時頃に取ったそうです。『ローティー』の「Low」と『ハイティー』の「Hight」はテーブルの高さから来たもので、ローテーブルはソファなどのリビングの家具を、ハイテーブルはダイニングテーブルを表しています。

中流階級以下は食事と食事の間の間食というより、夕食に代わるものだったのかもしれません。

現在のアフタヌーンティー

英国、特にロンドンの有名ホテルでは豪華なアフタヌーンティーを提供しています。

そのため海外からの旅行者は英国の伝統の一つとして『アフタヌーンティー』をランチと夕食の間の「お茶の時間」として楽しみますが、最近の英国のアフタヌーンティーは一般的な英国の人にとっては贅沢品かもしれません。

それにとても近しいのは、日本の高級ホテルでの『アフタヌーンティー』です。日本ではそういったアフタヌーンティーが有名なためか(飲食店の『Afternoon Tea』は別物として)、英国の上流階級文化として認識されているように思えます。

単にランチとディナーの間のお茶の時間ではなく、ちょっとオシャレをして出かける社交の場として使わています。

また、元々英国支配下にあった香港やシンガポールの高級ホテルでは、日本の高級ホテルと同様にリッチなアフタヌーンティーを楽しむことができますし、オーストラリアやニュージーランドでもティールームのメニューの中に『クリームティー』や『ハイティー』を見ることができます。

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