新型コロナウイルスの感染予防で、お気に入りのクラフトビールは「家飲み」もしくは「オンライン飲み会」で、という方も増えてきました。
昨今のニュースでは、自らの飲食店で提供している酒類や料理を来店客が自宅などで楽しめるようテイクアウトを始めた、なんていうのもよく耳にします。
しかし、テイクアウトはそんなに簡単にできるものなのでしょうか?免許は不要なのでしょうか?
テイクアウトを始める店舗に対してのサポート(東京都の場合)
新型コロナウイルスの感染予防対策として、東京都は飲食店に営業時間・酒類の提供時間の短縮を要請しました。
それに伴い「感染拡大防止協力金」を適切な感染防止対策を実施し、営業時間短縮(休業含む)を行う店舗に対し、50万円から100万円の協力金を支払うとしています。
さらに、飲食店がテイクアウトを新たに始める初期費用を支援(1事業者あたり最大100万円)することを2020年4月15日(水)に発表しました。
しかし、酒類のテイクアウト販売にはさらに免許が必要です。
酒類小売業免許とは
酒類小売業免許は、飲食店などが持ち帰り(テイクアウト)用に酒類を販売するための免許です。通常は申請から交付まで2カ月ほどかかると言われています。
クラフトビールをテイクアウトで販売する場合は、独自にこの免許を取得することが必要ですが、国は、新型コロナウイルス感染症に関連して飲食業界が大きな影響を受けていることを理由に、飲食店などの酒類小売業免許の取得申請を簡素化・迅速化を図ることにしました。
酒類小売業免許とは別に、『期限付酒類小売業免許』を設けたのです。
制限付きながら、酒類のテイクアウト販売が可能に
「期限付酒類小売業免許」は2020年6月30日(火)までに管轄の税務署に申請書を提出する必要があります。期限付酒類小売業免許が付与されると、普段テイクアウトをしていない飲食店でも最大6か月間、クラフトビールや日本酒などすべての酒類の販売が許可されることになります。
普通「酒類の販売」というとボトルや紙パック、缶のお酒を売るイメージですが、グラウラー(Growler・グロウラー)などで量り売りやプラカップでのテイクアウトも可能になります(平時では免許を持っていないために、プラカップでの販売をしていても「持ち帰り可」と謳っていないお店もあります)。
また、都道府県を越えない範囲での配達(デリバリー)も可能になります。
利用者(飲む側)は買えるし、お店は期限付きとは言え売れるので良いことづくめですが、期限付酒類小売業免許でも一般の酒類小売業免許と同じようにお酒の仕入れや販売について帳簿に記帳するなど販売数量の報告など義務とされているので、売る側はそれなりに大変そうです。
また、期限付酒類小売業免許では、インターネットなどを利用して所在地とは別の地域に酒類を販売することはできないそうです(インターネットなどでクラフトビールを販売するには、別途「通信販売酒類小売業免許」が必要)。
お店でまた美味しいクラフトビールが飲みたい!でも、今は我慢!
「簡素化・迅速化」の説明の通り、免許取得の要件に業態や店舗規模などの制限は設けられておらず、現在は細かい審査を後回しにして交付しているため大変スムースに手続きが進むそうです。
ビアバーやビアパブで飲むクラフトビールは、家のみとはまた違う良さがあるのですが、今は「Stay At Home」なのでオンラインショップを利用したり、テイクアウトを利用して、美味しいクラフトビールを楽しみましょう!