大人気の『クラフトビール醸造体験』、予約成功した友人に誘ってもらい行ってきました!
場所は板橋駅、下板橋駅、新板橋駅と3駅から徒歩圏内の『TOKYO ALEWORKS』(トーキョーエールワークス)です。過去に大人数でのワークショップ、友人宅でのキットを使っての(ゴニョゴニョ)…などで醸造体験をしたことはあるのですが、未だにクラフトビールの作り方を理解したとは言えない程度です。どんな体験ができるのかとても楽しみにしていました。
TOKYO ALEWORKS での醸造体験って、どんな?
『TOKYO ALEWORKS』は、板橋区にあるマイクロブルワリーです。敷地内でクラフトビールの醸造を行い、その隣にあるTAPROOM(タップルーム)で食事と共に提供しています。また、オリジナルビールを他店に卸したりもしています。

拡張された新しい醸造エリアには860リットル醸造できる大きなタンクが並びます。
『TOKYO ALEWORKS』のクラフトビールの醸造体験は1日で、麦芽の計量からタンクに入れて寝かせる(?という言い方であっているのか?)ところまで体験できます。逆に言えば、ボトルに詰めてラベルを貼る以外は体験できるということ。
体験費用は330ml(ボトル約48本)で49,800円(税込)。体験は1人から基本5名(6名は応相談)のグループで行います。今回体験してみた感じでは、2人から4人ぐらいまでが体験しやすいのではないかと思います。
私たちは実際に体験する4名に、参加できなくなってしまった1名の総勢5名で割り勘したので、1人当たり約1万円です。体験から参加した全員は「1万円でこの楽しさはお得!」と大満足でした(注:4人とも筋金入りのクラフトビール好き)。

こちらは小さなタンクが並ぶ既存の醸造設備。この中で1日、ビールと共に過ごします。
TOKYO ALEWORKS の醸造体験で何がつくれるの?
クラフトビールのビールタイプは申し込み時に選ぶことができます。
- IPA(インディアンペールエール)
- ペールエール
- スタウト
- ブロンドエール
- ホワイトエール
今回の醸造は、申し込んでくれた友人のツテもあり特別に『ホワイト IPA』にしていただきましたが、通常はアレンジなどは受け付けていないそうです。
10:30 醸造体験スタート!
まずは、今回教えていただく、『TOKYO ALEWORKS』の醸造長であるボブさんと江口さんにご挨拶。先に新しい大きなタンクのある醸造設備の説明をしていただきました。

「廃麦が500KGも出るんですよ~。流石に今日は使えないですね。」と軽快なトークで楽しませてくれるボブさん。
小さいタンクの醸造設備に戻って、注意事項の説明と『TOKYO ALEWORKS』のロゴが入ったデニムのエプロンを受け取ります。貸与のことが書いてなかったので自分のエプロンを持ってきていましたが、みんなで同じエプロンを付けるとさらにモチベーションが上がる、上がる。実はこのエプロンが参加者に大人気で「欲しいね」と話していたのですが、残念ながら非売品でした。

醸造所の中はさながら研究室のようで、器具・工具・ステンレス・チタン好きにはたまらない~。ボブさんのお隣が TOKYO ALEWORKS の江口さん。お世話になります!
「上手く隠してあるので、何も秘密にすることはありませんから、写真は好きなだけ撮ってくださいね!投稿も自由です。」とボブさん。ありがたいです(笑)。

資料を画面に映しながらの説明は、とてもわかりやすいです。
驚くほどボブさん、日本語が達者なのですが、さらに淀みなくジョーク(もちろん日本語)を飛ばすので、とても和やかな雰囲気で進みます。
11:00 醸造作業(麦芽の計量~粉砕~マッシング)
最初の作業は麦芽の計量とその粉砕です。

手造りの粉砕機。麦芽は3種類計ります。

麦芽を粉砕します。ベースになるのは「Wheat Ireks」、次に多いのは「Premium2」、最後に「Carapils」。味見をしてそれぞれの違いを実感します。

麦芽を機械に入れる係と、ドリルを動かす係は、安全グラスを装着。安全にも配慮しています。

約6Kgの粉砕が完了しました。粉砕する麦芽に合わせて粉砕機の目が調整できるそうですが、特に細かく調整しなくても勘でだいたいでイケるそうです。
今まであまりそういう印象ではなかったのですが、次はクラフトビールの醸造というのはちょっと化学だな、と思った作業。

薬品を計量します。レシピには英語で書いてあり、ボブさんが間髪入れず「ここでクラフトビールの作り方を習うと、英語の勉強もできるんだよー。」と。英語では聞いたこともないものに見えますが、日本語を見ると聞き覚えのあるものばかり。粉のモノ、粒のもの、そして液体のもの

特にリン酸の計量には緊張感が漂います。
そして遂に、気になっていた外から見える銀色のお鍋が登場。

上が25リットルの仕込み釜兼煮沸釜、下が35リットルの麦汁ろ過槽兼ワールプール。
大きな醸造設備だと5つの釜やタンクを麦汁が移動するのですが、この小さなお鍋とタンクがよくできていて、ホースを差し替えたりしながら3つだけで上手く全部周ってしまうのです。

粉砕した麦芽を66度にした水道水に加えて攪拌します。マッシングという工程です。全員真剣。
板橋の水は大変水質がよく超軟水だそうです。そのまま使える場合もあり、またホップをたくさん入れるものの場合はミネラルを加えて水質を調整するとか。

余談ですが、私が一番気になった(欲しくなった)もの…。とても可愛いマッシングパドル(だったかな?)。
温度を調節したり、pH(ペーハー)を計ったり細かい作業もあります。pHが高いと麦芽の殻皮からタンニン成分などが溶け渋みが出るとか。細かい調整の積み重ねで味って決まって行くんだな~とハード&ソフトな作業の繰り返しに感心。

麦汁の中のでんぷん質が酵素により糖に変わるのを待ちます。(糖化)
12:00 ランチタイムは糖化タイム
「そんなに働いてないぞ?」と自身にツッコミをしつつ、お待ちかねのランチタイムです。

釜がせっせと働いている間に、我らはランチ。ハーフサイズのビールが飲めるチケットをいただきました(指定のランチに交換も可)
TAPROOMに戻り、11タップもあるオリジナルビールのメニューとにらめっこ。また、ランチメニューにはゴージャスなバーガーがラインナップされており、休憩時間の1時間をたっぷり使って楽しみました。
ランチはアツいバーガーで!TOKYO ALEWORKS TAPROOM(トーキョーエールワークスタップルーム)@東京,下板橋,板橋,新板橋

これが、私のお昼ご飯!満足度も高い!(笑)バンズとパテがとにかく美味しい!

ランチを楽しみに来ている一般のお客さまに交じって頂きました。エプロンをしたままなので、すぐにそれとわかってしまう(笑)
13:00 醸造作業(マッシュタン洗浄~煮込み~ホップ投入~冷却~酵母投入)
休憩後、再び醸造所に戻ります。

糖化が進んでいるのを確認します。確認してくれるのはご存知、ヨードチンキ。でんぷんがあると紫色に(右のグラス)。糖化が進めば色は変わらず(左のグラス)。

今度はホップを計量します。「Nugget」と「Citra」を使います。

ホップは冷凍されたペレットを使用。投入する段階ごとに測っておきます。香りをかいで…うん、私はCitraが好きだなぁ。(ホップ苗が欲しい…と思いましたが、諸事情で手に入らない品種とか)
ホップは煮込む時間によりアロマ、ホップ味、苦みが出てくるので、タイマーを3つ駆使して苦みのベースとなるホップ、強いアロマを出すホップなど投入する時間を調整します。これで味や香りが変わります。重要な作業の連続。

アナログな糖度計で糖度を計ります。最後まで見方がよくわからなかった…

デジタルでも同じく測る糖度。数値が一致したようです。
15:00 煮沸釜洗浄~ホース類洗浄~後片付け
ワールプールの工程に入り煮沸釜の役割が終わったので、釜とその関連パーツの洗浄です。

細かいところに入り込んだ汚れを歯ブラシでとって、ピカピカに!
「クラフトビール醸造の9割は洗浄作業」とボブさん。そのセリフ、別の人からも聞いたことあるけれど、しゃがんで釜に手を突っ込んでいると、腰にきてなかなか大変?

重労働(釜洗浄)のあとは麦汁試飲タイム。「美味しいものではない」とも言えますが、愛しいものではあります(笑)
初めて知ったのですが、法律の関係上、麦芽カスなどの廃棄物もきっちり計って記録しないと税金が変わってしまうそうです。クラフトビール作りって、体力と根気に加えてマメさも必要なんですね。これは私には仕事にできない(笑)。
そしてここで役得オマケタイム。こういうのを挟んでくれるのが、本当に嬉しい。

貯蔵タンクにはどんな雑菌も入れるわけにはいかないので、これでもか!と言うぐらい消毒。

そして、自分でタンクから注いでもうすぐ蔵出しになるというビールを味見…ではない、炭酸の具合などを吟味しました。う~ん、インペリアルスタウトが飲めるとは。
そしてようやく、ホップカスや凝固したたんぱく質を取り除く作業がワールプールで完了し、ホースのつなぎ方を変えて貯蔵タンクへ麦汁を移動させます。

途中で通す冷却装置はこの小ささ。以前醸造体験したときは、クーラーボックスに氷を入れて、そこにホースを通して冷却したような…

貯蔵タンクに金具をつけていきます。これもちょっとしたコツがいりそう。それにしても釜もタンクもよくできてる…

ホースを通ってワールプールから貯蔵タンクへ麦芽が移動。「ホワイト IPA」なので色はかなり淡いです(後ろからライトを当てて色が見やすくしています)。

そして満タンになったタンクは定位置へ。きっちり温度管理がなされます。
この後、イーストを入れる作業があるのですが、イーストを入れた途端にアルコールが発生するため、日本の酒税法上この作業は免許が必要になります。

こちらのタンクはアメリカのSS Brewtech社のもの。醸造所に届いた時点では、この黒いお洋服は来ていなかったそうです。
最後に発送やラベルの話をして醸造体験は終了です。

ラベルはオリジナルのラベルも作れるほか、リストの中から選ぶこともできます。
16:00 醸造体験終了
ボブさんの軽快なトークはもちろんのこと、「色々とやらせてくれる」醸造体験はとても貴重だなと感じました。
醸造所はあまり広くはないし、4人いるし、あまり「参加している感はないかも」と思っていたのですがとんでもない!また参加したい!と全員一致。私も別のスタイルのクラフトビールも作りたいです。
ボブさん、江口さん、本当にお世話になりました。楽しかったです!我らが「ホワイト IPA」が出来上がるのは約1カ月後です。配送の手配はしましたが、その頃またTAPROOMにお邪魔しようかな。

最後にTAPROOMで再びクラフトビールを楽しみました。飲みたいものがたくさんあって、全員ビアフライトを選択。
余談ですが、貯蔵タンクは約8万円、温度管理ができる優れた2つの釜のセット(ロールスロイス級らしい!)は約15万円だそうです。「ホームブリューするのにこれがあれば…」と参加者の脳裏に、自宅で光るこのセットが浮かんだとか、浮かばなかったとか。

最後に、麦芽かすを少しいただきました。スコーンに入れると美味しいというので試してみようと。一部は自宅でしばし冷凍、大部分は庭の土に混ぜて肥料になりました。

因みにこちらがボトル詰めマシーン。結構手動部分が多いので大変そうです。
出来上がったビールの報告はこちら:TOKYO ALEWORKS(トーキョーエールワークス)で醸造したオリジナルビール『Hazy Moon IPA』が来た!
TOKYO ALEWORKS(トーキョーエールワーク)醸造体験の情報
- 公式サイト
- SCHOOL | Tokyo Aleworks
- ネット予約
- RESERVE | Tokyo Aleworks
- 住所
- 東京都板橋区板橋1-8-4 板橋Cask Village 1階
こちらの情報は記事作成/更新時点のものです。休日・営業時間・その他、公式サイトで確認をしてからお出かけください