みなさんは「ホヤ」を知っていますか?食べたことはありますか?
ホヤとは?
なんか、あまりにもWikipediaの概要も複雑を極め、正直この字面だけでも「美味しそう」と思えないであろう、ホヤ(最後の「海のパイナップル」でさえ『形状』の話である…)。餌を含む海水の入り口である入水孔と出口である出水孔を持ち、体は被嚢(ひのう)と呼ばれる組織で覆われている。
成長過程で変態する動物として知られ、幼生はオタマジャクシ様の形態を示し遊泳する。幼生は眼点、平衡器、背側神経、筋肉、脊索などの組織をもつ。
・・・中略・・・
漢字による表記では、古くには「老海鼠」、「富也」、「保夜」などの表記も見られる。ホヤの名は、「ランプシェードに当たる火屋(ほや)にかたちが似ている」から、または「ヤドリギ(ほや)にそのかたちが似ている」から。またマボヤはその形状から「海のパイナップル」と呼ばれることもある。
引用元: wikipedia:ホヤ
そんなホヤの美味しさを「目から鱗(うろこ)」レベルで味わうイベントに参加してきました。開催場所はキッチンのあるワーキングスペース、LODGE(Yahoo Japan)です。
企画してくださったのは、先日のクラフトビールのイベントで知り合いになった「東京ビアガーデン情報館」の和田さん、そしてホヤの認知度向上と、消費拡大を目指すネットワーク「ほやほや学会」の『ホヤ男爵』こと亀田さんです。
東北地方では一般的食材として家庭で楽しまれている「ホヤ」
ホヤは日本・韓国だけでなく、フランスや南米チリなどでも食材として扱われているそうです。チリなどはまだ想像できるのですが、フランス…クリームソースは合わなそうですが、どんな調理方法で食しているのか興味が湧いてきます。視点を日本に戻すと、主な水揚げは、震災に見舞われた東北地方北部沿岸。水揚げ量の多い石巻漁港ではかなり一般的に食べられているそうです。私も過去に食べた記憶がありますが、恐らく東北地方であったと思います。酢の物でお酒をいただいた記憶があります。確か…美味しかったかと(本当に、朧気な記憶)。
この日は、前日に水揚げされた産地直送のホヤが7Kg!14名分とのことですが、大きなガラスの器に氷と一緒にスタンバイしたホヤは、私が想像していたよりも赤く・ふくよかでパンパンで、そして涼し気なのでした。
必見!ホヤを知り尽くした、ホヤ男爵のホヤレクチャー
ホヤナイトは、ホヤの切り方のレクチャーからスタート。そもそも生き物に「プラス」とか「マイナス」とかあるのにも驚きましたが(例えだと思っていたら、本当に+とーのスジがある!)、正直「どこから手を付けたらいいの?」感満載な見かけとは裏腹に、きちんと手順を教えていただくと、あれ、意外に簡単にさばけるのでした。
切る手順はもちろん、ホヤ刺しと蒸しホヤ、用途によって違う切り方をすることや、基本すべて食べられるけれどエグミがあるので肝臓は取るとか、色々教えていただきました。
とはいえ、ホヤ男爵 亀田さんのレクチャーを夢中で写真に撮っていたせいか、内容の50%はまったく頭に入っておらず(誠に申し訳ございません…)。二人ずつ包丁を持ち、再びホヤ男爵に指示を仰ぎながらなんとか自分のホヤ刺しをつくることができました。キッチン、ホヤ汁で最初にびしょびしょにしたのは私です…本当にすみません…。
LODGEのキッチンはイベントとして使うには少々狭めのため、順番に参加者がホヤをさばき、お皿を持ってカウンターに着席して食べ始めます(しまった…カウンターやキッチン周りの写真をまったく撮影せず)。
差し入れていただいた日本酒、ホヤと同じ宮城出身の一ノ蔵を飲みつつ、持参したビールをチェイサーにしつつ、ホヤ刺しをぱくり。お!弾力と魚介類らしい磯の香りのある苦みが、日本酒やすっきり系ビールに合います!(絶対、ワインには合わないと思ったのでLODGEと同じ建物にある成城石井で常陸野のホワイトビールを選びました。が、やはり日本酒!)
お刺身をいただきながら、再びホヤ男爵のホヤレクチャー、スタート。今度は画面を見せていただきながら、ホヤの概要や産地の状況などを説明いただきました。
なるほど、食材のことを知るとさらに興味が湧いてきます。「現地に行って食べてみたい!」と思わせる、ホヤに対する想いが伝わる、熱いプレゼンでした。ホヤは酢の物だけじゃない!蒸したり、煮たり、パスタにしたり!
さて、「ホヤは酢の物」と思っていた私ですが、この日は色々な食べ方を教えていただきました(自分のホヤ刺しをさばいた以外は、食べて飲むだけ)。ホヤ刺しは、新鮮だからこそであろう、貝のようなコリコリした食感と磯の香りがすばらしいです。日本酒が相当合うので、エグミすら美味しくいただける
!
ホヤ卵は、前日に和田さんが用意してくださったもので、簡単に言うとホヤの形状を活かして、ゆで卵をずぼっと入れて煮るのですが、煮ている途中の写真を見たら「何かが生まれてきそう」な感じで少々グロテスク。
でも、その記憶を裏切る美味しさ!ホヤが苦手な方でも美味しくいただけそうな、ホヤのマイルドな部分だけが凝縮されたような煮卵になっていました。
ピータンより、よっぽど癖がないというか。
蒸しホヤは参加者で一番好評だったような気がします。ホヤのバター炒めもそうですが、火を入れるとホヤ刺しよりもマイルドになるので、もしお刺身が苦手だ!と思っても、是非食べてみていただきたい。
そして私が一番気に入ったのは、大葉を使ったジェノベーゼ。こちらはホヤの直送もしてくださる山内鮮魚店さんのレシピだそうですが、確かにバジルよりも大葉の純和風な香りはよりホヤに合うようです。
うん、是非もう一度食べたい!
あとから伺ったのですが、現地宮城で食べる採りたてのホヤはもっと赤く・もっと丸くパンパンだそうです。お取り寄せで食べるのもいいですが、やはりいつか、ホヤの8割を収穫するという宮城・三陸の海で食べてみたいです。
※ビールチェイサーに日本酒を飲んでいたせいか、あるはずの酢の物の写真がありません