京都が雑誌のテーマだとほぼ手に取ってしまうのですが、その中で何度か見かけたお店です。京都出身で代々料亭を営んでいる家系で育ち、今ではニューヨークを拠点に海外への日本食文化発信をされている方がプロデュースしたそうです。
予約は朝の7時半。当日電話したという方も含め、11名ほどがお店の前に集まりました。みなさん、一日のはじまりにわくわくしているような雰囲気です。
京都の朝食はやさしい、向付の汲み上げ湯葉から
落ち着いた木目調の大きなカウンターが印象の店内。私は前の方に続いて、カウンターの角、4席目に着席しました。おひとりさまは私だけのようで、右側にはしっかりもののお嬢さんを連れたご家族3人組、左側は女性二人組です。一番最初に出てきたのは、何とも言えないぐらい香ばしい番茶です。誰もが驚く強い香りを思いっきり鼻呼吸で吸い込みつつ、奥の方でじっくり香りを楽しむ感じ。甘みを感じない、なんというか焦げる一歩手前まで燃やしていたというか…。
京都では有名な一保堂茶舗の「いり番茶」で、京都で「番茶」と言えば「いり番茶」だそうです。知らなかった。
次に出てきたのは、向付の『汲み上げ湯葉』。素敵な黒色の器に入っています。ワサビを効かせて食べるとクリーミーな中にちょっとポイントが合って美味しい。このクリーミーさはフランス料理みたい(笑)下にひいてある青菜(キャベツかな?)で最後に拭うようにきれいに食べられるのもいいですね。ワサビだけとは違った、少し個性のある青さが加わります。
三種類の汁物から何を選ぶ?白味噌もよし、野菜スープもよし
お腹を空かせた客がまずやらなければいけないのは三種類の汁物から一種類選択することですが、これが困る!お隣は3人だったので全種類いけますが私はひとり。ひとつしか味わえないのです!
- 京白味噌の豚汁
- 季節の野菜(Vegetable clear soup)
- 海鮮和風トマト
悩んだ末、「せっかく京都だし」と定番と思われる『京白味噌の豚汁』にしました。
京都の白みそですから、関東では食べ慣れない甘さ!塩気のある甘さって好きですが「おおお、甘~い!」と唸ってしまうほど。
結構器が大きいので途中で味に飽きちゃわないかな?と思ったのですが、その甘さにカラシを溶かしてみると、また別の味わいになります。豚肉がものすごく旨味があって、でも甘みが合うんだなあと感心しつついただきました。もう、箸が止まらない(笑)
箸で簡単に切れるほどに柔らかく、白味噌の味が染みこんだ大根も、これまた美味しいです。京都で大根のおでんを食べたらこんな感じなのかな?(とか、ここで思ったくせに、京都のおでんを食べる機会は逃しました…私のバカ…)
土鍋のご飯は少しずつ、時間の経過を楽しむように
汁物が来る少し前に、お茶碗を選ばせてもらいました。喫茶店でコーヒーカップを選んだり、居酒屋で酒器、茶室で抹茶茶碗を選んだことはあるけれど、お茶碗ははじめて。
こちらで使用している器は、鎌倉が拠点の「うつわ祥見」というお店の方が監修しているそうです。どれも結構渋めなんですが可愛いんですよね(渋いのに可愛いっておかしいかな?)。私は特に醤油さしで気に入ったのがあったのですが、目でも料理を楽しみながら、ご飯が来るのを待ちます。
実はこちらのご飯、少しずつ、少しずつやってくるのです。「まだ来ないの?」なんて思ってしまいましたし、我が家の父であれば絶対に我慢ができないと思うほどのんびり、少しずつです。
後から他のお客さまに説明しているのを耳にしてわかったのですが、一番最初にいただいたのはご飯を土鍋で炊き始めて芯が無くなった直後(かなり柔らかめ)だったそうです。そこで一度柔らかく甘みの強い状態を味わって、丁度良い頃合いにまた口にして…と、お米がご飯になってそして焦げるまでの変化を楽しむことができるのです。(知らなかったから、結構「遅いっ」って思っちゃいましたよ…)
私はお米には五月蠅くて(というか単なるわがままで)炊き立てしか食べないのですが、やはり土鍋のご飯は別格です!
絶品!大原の野卵で卵かけごはん!
さて、「一飯一汁」ではありますが、サイドディッシュも『朝食 喜心』(ちょうしょく きしん)にはあります。
お隣のご婦人がオーダーした揚げじゃが芋(300円 税抜)は佇まいも美しく、とても美味しそうだったのですが、もともと朝ごはんはあまり食べないので『山田農園の卵』(350円 税抜き)をお願いしました。
卵に350円!!!…と思わないこともないですが、折角だし…と、大奮発(笑)温泉卵か生卵か選べるとのことなので、おススメの生卵を選択しました。生卵は黄味だけを載せた卵かけご飯で供されます。
なんでしょう、この盛り上がり!(笑)小さいですが、なかなか見ない丸さですよ!!最初は何もかけずに卵をちょいちょいと付けてご飯をいただきます。卵ってこんな味だっけ?と思うほど、甘みと旨味があって濃厚~。ソースみたいです。お話を聞くと、『山田農園』というのは京都の大原にある農園で、この卵は「野たまご」と呼ばれ地面を元気に走り回っている鶏が産んでいるものだそうです(フリーレンジってことですかね)。こだわりの自家配合飼料で飼育しているのもポイントのようです。インターネットで調べたところ、『たまご工房』というスイーツを制作販売しているお店もあって…う~ん、プリントかシュークリームとか美味しそう…。
卵かけご飯は半分いただいたところで特製醤油をかけて食べましたが、美味しいけれど確かに卵だけの味わいとは変わって、ちょっと普通になってしまう???うん、卵だけで食べておいて良かったです。
お漬物が出たあたりから、空になると「ください~」とお茶碗を差し出して少しずつご飯をお替りしていたこともあり、また前日にしっかり東京で飲んでいたこともあり…私個人は〆のおこげでそれなりにお腹がいっぱいになりました。『朝食 喜心』(ちょうしょく きしん・Breakfast Kishin)の朝ご飯は2,500円(税抜)。これを「高い!」と思う方も少なくはないと思いますが、京都のこだわりの食材で、京都らしいおもてなしの朝ごはん。その日のスタートを清々しくしてくれる貴重な「体験」です。
『Kishin Kitchen Kyoto』の夜の営業は期間ごとに内容が異なります
朝食は予約必須です。時間が決まっていますので公式サイトでご確認ください(予約の電話は14時半ぐらいまで)
前日飲んでいた池袋のクラフトビールのお店:BEER PUB CAMDEN 池袋東口店(ビアパブ カムデン)土日なら昼飲みも!ハンバーガーも人気な英国風パブ@東京, 池袋
この日お昼を食べたところ:【京都】山ばな 平八茶屋(やまばな へいはちちゃや)著名人縁の老舗料亭で、紅葉を楽しみながら麦飯とろろ膳@京都, 左京区
【京都】朝食 喜心(ちょうしょく きしん・Breakfast Kishin)の私的評価
- おひとり様度
- ★★★★★この日は私だけでしたが、少なくないと思います
- カウンターの居心地
- ★★★★★足がしっかりとつく、がっちりな椅子です
- 料理
- ★★★★☆説明のタイミングなど希望もあるけれど、厳選された素材はどれも別世界
- 飲み物
- ★☆☆☆☆お酒もありましたが、まぁ、朝ごはんなので…不要かな
- リピーター度
- ★★★★☆京都は行ってみたい処がいっぱいあるので…でも、いつか
【京都】朝食 喜心(ちょうしょく きしん・Breakfast Kishin)の情報
- 公式サイト
- Breakfast Kishin – 朝食 喜心
- ネット予約
- OpenTableで予約
- カウンター
- 9席/全17席
- 禁煙/喫煙
- 禁煙
- 住所
- 京都市東山区小松町555 Kishin Kitchen Kyoto
こちらの情報は記事作成/更新時点のものです。休日・営業時間・その他、公式サイトで確認をしてからお出かけください